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authorJun Kuriyama <kuriyama@FreeBSD.org>2000-07-17 09:14:37 +0000
committerJun Kuriyama <kuriyama@FreeBSD.org>2000-07-17 09:14:37 +0000
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--- a/ja_JP.eucJP/books/handbook/introduction/chapter.sgml
+++ b/ja_JP.eucJP/books/handbook/introduction/chapter.sgml
@@ -2,722 +2,796 @@
The FreeBSD Documentation Project
The FreeBSD Japanese Documentation Project
- Original revision: 1.24
- $FreeBSD: doc/ja_JP.eucJP/books/handbook/introduction/chapter.sgml,v 1.10 2000/01/11 08:41:59 motoyuki Exp $
+ Original revision: 1.28
+ $FreeBSD: doc/ja_JP.eucJP/books/handbook/introduction/chapter.sgml,v 1.11 2000/07/15 05:42:11 kuriyama Exp $
-->
<chapter id="introduction">
<title>はじめに</title>
- <para>FreeBSD は, Intel アーキテクチャ (x86) と DEC Alpha ベースの
- コンピュータシステムのための
- 4.4BSD-Lite2 をベースとしたオペレーティングシステムです. FreeBSD
- の概要については, <link linkend="nutshell">FreeBSD
- とは</link>をご覧ください. このプロジェクトの歴史については,
- <link linkend="history">FreeBSD 小史</link> をご覧ください.
- 最新のリリースについての記述は, <link
- linkend="relnotes">現在のリリースについて</link>をご覧ください.
- FreeBSD プロジェクトへの何らかの貢献 (ソースコード, 機器,
- 資金の提供など) について興味があれば, <link
- linkend="contrib">FreeBSD への貢献</link>
- の章をご覧ください.</para>
+ <para><emphasis>Restructured, reorganized, and parts rewritten by
+ &a.jim;, 17 January 2000.</emphasis></para>
+
+ <sect1>
+ <title>Synopsis</title>
+
+ <para>FreeBSD に興味を持って頂きありがとうございます!
+ 以下の章では FreeBSD の歴史, 目標, 開発モデルなど,
+ FreeBSD プロジェクトに関する様々な事柄に言及しています.</para>
+
+ <para>FreeBSD は, Intel アーキテクチャ (x86) と DEC Alpha ベースの
+ システムのための 4.4BSD-Lite2 をベースとしたオペレーティング
+ システムです.
+ 他のアーキテクチャに対する移植も進行中です.
+ FreeBSD の概要については, <link linkend="nutshell">次のセクション
+ </link> をご覧ください.
+ <link linkend="history">FreeBSD の歴史</link> や,
+ <link linkend="relnotes">現在のリリースについて</link>
+ も読むことができます.
+ プロジェクトへの何らかの貢献 (ソースコード, ハードウェア,
+ 資金の提供など) について興味があれば, <link
+ linkend="contrib">FreeBSD への貢献</link> をご覧ください.</para>
+ </sect1>
<sect1 id="nutshell">
- <title>FreeBSD とは</title>
-
- <para><emphasis>原作: 不明.</emphasis></para>
-
- <para><emphasis>訳: &a.jp.tomo;.</emphasis></para>
-
- <para>FreeBSD は, Intel 社の 386, Pentium ファミリに加え,
- AMD 社や Cyrix 社の Intel 互換 CPU,
- DEC 社の Alpha といった各 CPU アーキテクチャに
- 基づくコンピュータシステム用として,
- 現在求めうる最高水準のオペレーティングシステムです.
- FreeBSD は, 従来高価なコンピュータでしか利用できなかった
- 多くの先進的な機能を提供します.
- FreeBSD には次のような機能があります:</para>
-
- <itemizedlist>
- <listitem>
- <para>
- 優先度を動的に調節する機能を備えることで
- アプリケーションとユーザとの間で円滑かつ公平な
- コンピュータ資源共有を実現し,
- 特に高い負荷にも耐えることができる堅牢さを備えた
- <emphasis>プリエンプティブマルチタスキング</emphasis>.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>多くの人々が 1 つの FreeBSD
- システムをさまざまな目的で同時に使うことを可能にする
- <emphasis>マルチユーザ機能</emphasis>.
- これは例えば, プリンタやテープデバイスといった
- システムの周辺機器が, そのシステムを利用する全てのユーザだけでなく
- ネットワーク経由においても自然な形で共有され,
- さらに重要なシステム資源の使い過ぎを防ぐために
- 個々の資源に対する制限がユーザ単位, グループ単位で
- 設定できる, というようなことを意味しています.
+ <title>FreeBSD へようこそ!</title>
+
+ <para>もしまだここを読んでいるなら, FreeBSD がどんなものか,
+ 何ができるのかを多少なりとも理解していると思います.
+ もし FreeBSD について初心者なら, このまま読み続けてください.</para>
+
+ <sect2>
+ <title>FreeBSD って何?</title>
+
+ <para>一般に, FreeBSD は 4.4BSD-Lite2 ベースのオペレーティング
+ システムです.
+ Intel アーキテクチャ (x86) ベースのコンピュータシステム上で
+ 動作し, DEC Alpha アーキテクチャでも動作します.</para>
+
+ <para>FreeBSD は, 以下のサイトを含む多くの Internet
+ 上の最大クラスのサイトで利用されています:</para>
+
+ <itemizedlist>
+ <listitem>
+ <para><ulink url="http://www.yahoo.com/">Yahoo!</ulink></para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para><ulink url="http://www.hotmail.com/">Hotmail</ulink></para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para><ulink url="http://www.apache.org/">Apache</ulink></para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para><ulink url="http://www.be.com/">Be, Inc.</ulink></para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para><ulink url="http://www.bluemountain.com/">Blue Mountain
+ Arts</ulink></para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para><ulink url="http://www.pair.com/">Pair
+ Networks</ulink></para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para><ulink url="http://www.whistle.com/">Whistle
+ Communications</ulink></para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para><ulink url="http://www.wccdrom.com/">Walnut Creek
+ CDROM</ulink></para>
+ </listitem>
+ </itemizedlist>
+
+ <para>などです.</para>
+ </sect2>
+
+ <sect2>
+ <title>FreeBSD で何ができるの?</title>
+
+ <para>FreeBSD には多くの注目すべき機能があります.
+ 例を挙げれば以下のようになります:</para>
+
+ <itemizedlist>
+ <listitem>
+ <para>
+ 優先度を動的に調節する機能を備えることで
+ アプリケーションとユーザとの間で円滑かつ公平な
+ コンピュータ資源共有を実現し,
+ 特に高い負荷にも耐えることができる堅牢さを備えた
+ <emphasis>プリエンプティブマルチタスキング</emphasis>.</para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para>多くの人々が 1 つの FreeBSD
+ システムをさまざまな目的で同時に使うことを可能にする
+ <emphasis>マルチユーザ機能</emphasis>.
+ これは例えば, プリンタやテープデバイスといった
+ システムの周辺機器が, そのシステムを利用する全てのユーザだけでなく
+ ネットワーク経由においても自然な形で共有され,
+ さらに重要なシステム資源の使い過ぎを防ぐために
+ 個々の資源に対する制限がユーザ単位, グループ単位で
+ 設定できる, というようなことを意味しています.
</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>SLIP や PPP, NFS, DHCP, NIS といった業界標準規格の
- サポートを含んだ <emphasis>堅固な TCP/IP ネットワーキング</emphasis>.
- これによって, FreeBSD マシンが商用サーバと同じように相互に運用でき,
- NFS(リモートファイルアクセス)や, 電子メールサービスのような
- 極めて重要な機能を提供します.
- また, WWW や ftp, ルーティング, ファイアウォール
- (セキュリティ) サービスを用いてインターネットと
- 接続できます.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>アプリケーション (あるいはユーザ) がお互いに干渉できない
- ようにする<emphasis>メモリ保護</emphasis>機能.
- アプリケーションがクラッシュしても, どのような場合でも
- 他のアプリケーションには影響を与えません.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>FreeBSD は <emphasis>32ビット</emphasis>
- のオペレーティングシステム(Alpha 版は
- <emphasis>64 ビット</emphasis>)であり,
- 最初からそのようにこつこつと設計されました.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>業界標準である<emphasis>X Windowシステム</emphasis>
- (X11R6) は, 普通のVGAカードやモニタでグラフィカルユーザ
- インタフェース (GUI) を提供し,
- すべてのソースコードも一緒に提供されます.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>Linux や SCO, SVR4, BSDI, NetBSD 用に作られた多くの
- プログラムとの<emphasis>バイナリ互換性</emphasis>.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>何千もの<emphasis>すぐに実行可能な</emphasis>
- アプリケーションが FreeBSD の <emphasis>ports</emphasis> や
- <emphasis>packages</emphasis> コレクションで利用可能です.
- ここに用意されているものは
- ネットを探し回る必要がありません</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>インターネット上で入手可能な,
- <emphasis>移植が容易な</emphasis>
- 何千ものアプリケーションを追加できます. FreeBSD
- は最も評判の よい商用の Unix
- システムとソースコードレベルで互換性があります. このため,
- ほとんどのアプリケーションは, もしあったとしてもほんの
- 少しの変更でコンパイルすることができます.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>デマンドページング <emphasis>仮想メモリ</emphasis>
- とそれに &ldquo;付随の VM/buffer キャッシュ&rdquo;の設計は,
- 多くのメモリを要求する
- アプリケーションに対して効率よくメモリを
- 与えるようにする一方で,
- 他のユーザに対しても対話的な応答を維持します.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>複数の CPU を搭載したマシンにおける
- <emphasis>SMP 機能</emphasis>のサポート(Intel 版のみ).
- </para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>完全な <emphasis>C</emphasis> や
- <emphasis>C++</emphasis>, <emphasis>Fortran</emphasis>,
- <emphasis>Perl</emphasis>の
- 開発ツール. 進んだ研究や開発のための多くの他の言語も
- ports や packages コレクションで提供されています.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>システム全体の <emphasis>ソースコード</emphasis>
- が提供されているので,
- 要求に合わせて環境を最大限に適合させることができます.
- 真のオープンシステムが利用できるのですから,
- 所有権のある解決方法に 締めつけられ,
- ベンダのなすがままになる必要はありません.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para>膨大な量の
- <emphasis>オンラインドキュメント</emphasis>.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para><emphasis>もう書ききれません!</emphasis></para>
- </listitem>
- </itemizedlist>
-
- <para>FreeBSD はカリフォルニア大学バークレイ校のComputer Systems
- Research Group (CSRG) による4.4BSD-Lite2 リリースを基にしており,
- BSDシステムの開発の優れた伝統を守り続けています.
- CSRGによる素晴らしい活動に加えて,
- FreeBSDプロジェクトは何千時間もの時間を注ぎ込んで,
- 実際の使用の場において最大の性能と信頼性を
- 発揮するためにシステムのチューニングをおこなっています.
- 多くの大企業がPCオペレーティングシステムの分野で
- 実現しようと奮闘しているそのような機能や性能, 信頼性を
- FreeBSDは<emphasis>今すぐ</emphasis>提供できます!</para>
-
- <para>あなたの思いつく限りのアプリケーションは, 何でもFreeBSDで
- 実行できます. ソフトウェア開発から ファクトリオートメーション,
- 在庫制御から遠く離れた人工衛星の アンテナの方向調整まで;
- 商用UNIX製品でできることは, FreeBSDでも十分にできるのです!
- また, FreeBSDは世界中の研究センターや大学によって開発される
- 文字通り何千もの高品質で, たいていはほとんど無料で利用できる
- アプリケーションによる恩恵を得ることができます.
- 商用のアプリケーションも提供されており,
- 日々増え続けています.</para>
-
- <para>FreeBSDのソースコードは広く提供されているので,
- システムも特別なアプリケーションやプロジェクトに合わせて,
- いくらでもカスタマイズすることができます. これは
- 有名な商業ベンダから出ているほとんどのオペレーティング
- システムでは不可能なことです. 以下に現在FreeBSDを
- 使っている人々のアプリケーションの例をいくつか上げます:</para>
-
- <itemizedlist>
- <listitem>
- <para><emphasis>インターネットサービス:</emphasis>
- FreeBSDに組み込まれている 頑強なTCP/IP
- ネットワーキング機能は次のようなさまざまなインターネット
- サービスの理想的なプラットフォームになります:</para>
-
- <itemizedlist>
- <listitem>
- <para>FTP サーバ</para>
- </listitem>
+ </listitem>
- <listitem>
- <para>World Wide Web サーバ(標準, もしくは安全な [SSL])</para>
- </listitem>
+ <listitem>
+ <para>SLIP や PPP, NFS, DHCP, NIS といった業界標準規格の
+ サポートを含んだ
+ <emphasis>堅固な TCP/IP ネットワーキング</emphasis>.
+ これによって, FreeBSD マシンが商用サーバと同じように相互に運用でき,
+ NFS(リモートファイルアクセス)や, 電子メールサービスのような
+ 極めて重要な機能を提供します.
+ また, WWW や FTP, ルーティング, ファイアウォール
+ (セキュリティ) サービスを用いてインターネットと
+ 接続できます.</para>
+ </listitem>
- <listitem>
- <para>ファイアウォールと NAT("IP マスカレード")ゲートウェイ</para>
- </listitem>
+ <listitem>
+ <para>アプリケーション (あるいはユーザ) がお互いに干渉できない
+ ようにする<emphasis>メモリ保護</emphasis>機能.
+ アプリケーションがクラッシュしても, どのような場合でも
+ 他のアプリケーションには影響を与えません.</para>
+ </listitem>
- <listitem>
- <para>電子メールサーバ</para>
- </listitem>
+ <listitem>
+ <para>FreeBSD は <emphasis>32ビット</emphasis>
+ のオペレーティングシステム(Alpha 版は
+ <emphasis>64 ビット</emphasis>)であり,
+ 最初からそのようにこつこつと設計されました.</para>
+ </listitem>
- <listitem>
- <para>USENET ニュースおよび電子掲示板システム</para>
- </listitem>
+ <listitem>
+ <para>業界標準である<emphasis>X Windowシステム</emphasis>
+ (X11R6) は, 普通のVGAカードやモニタでグラフィカルユーザ
+ インタフェース (GUI) を提供し,
+ すべてのソースコードも一緒に提供されます.</para>
+ </listitem>
- <listitem>
- <para>さらにいろいろ...</para>
- </listitem>
- </itemizedlist>
-
- <para>FreeBSD を利用すれば, 小規模で安価な 386 クラスの
- PC でも気軽に導入することができますし,
- 事業の成長に合わせてアップグレードした
- 4 つの Xeon プロセッサと RAID ストレージデバイスを
- 備えたシステムでも, 全くそのまま使うことができるのです.
- </para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para><emphasis>教育:</emphasis>
- あなたは計算機科学または工学の学生ですか?
- オペレーティングシステムやコンピュータアーキテクチャ,
- ネットワーキングを学習するなら, FreeBSDを手に
- 経験するのが一番よい方法です. 自由に利用できるCADや数学,
- グラフィックデザインのパッケージもいくつもあり,
- コンピュータに関心を持った人が <emphasis>他の人</emphasis>
- の成果を 手に入れて利用するのにとても役に立ちます.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para><emphasis>研究:</emphasis>
- システム全体のソースコードが利用できるため,
- FreeBSDはオペレーティングシステムの研究だけでなく,
- 計算機科学の他の部門においても優れたプラットフォームです.
- 自由に利用できるFreeBSDの特長は, オープンフォーラムで
- 議論される特別なライセンスの同意や制限について
- 心配することなく, 離れたグループでもアイディアや開発の共有に
- よる共同研究を可能にします.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para><emphasis>ネットワーキング:</emphasis>
- 新しいルータが必要? ネームサーバ (DNS) は?
- 内部のネットワークを人々から守る ファイアウォールは?
- FreeBSDはすみに眠っている使われていない386や486のPCを簡単に
- 洗練されたパケットフィルタリング機能を持つ高級なルータに
- 変えることができます.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para><emphasis>X Windowワークステーション:</emphasis>
- 自由に利用できるXFree86サーバやX Inside社から提供される
- 優れた商業サーバを使うことによって, 安価なX端末
- としてFreeBSDを使うこともできます. X端末とは違ってFreeBSDは
- 多くのアプリケーションをローカルに走らせることもでき,
- 中心のサーバの負荷を軽減することも可能です.
- FreeBSDは&ldquo;ディスクレス&rdquo;でもブート可能であり,
- 個々のワークステーションを安価で, 容易に管理することさえ
- 可能にします.</para>
- </listitem>
-
- <listitem>
- <para><emphasis>ソフトウェア開発:</emphasis>
- 基本的なFreeBSDシステムには
- 有名なGNUのC/C++コンパイラやデバッガ含んだ完全な開発ツールが
- ついてきます.</para>
- </listitem>
- </itemizedlist>
-
- <para>FreeBSDはCDROMまたはanonymous ftpによってソース,
- バイナリとも 利用可能です. 詳しくは, <link
- linkend="mirrors">FreeBSD の入手方法</link>
- を見てください.</para>
- </sect1>
+ <listitem>
+ <para>Linux や SCO, SVR4, BSDI, NetBSD 用に作られた多くの
+ プログラムとの<emphasis>バイナリ互換性</emphasis>.</para>
+ </listitem>
- <sect1 id="history">
- <title>FreeBSD 小史</title>
-
- <para><emphasis>原作: &a.jkh;</emphasis>.</para>
-
- <para><emphasis>訳: &a.jp.masaki;, &a.jp.hino;.
- <!-- <br> -->19 December 1996.</emphasis></para>
-
- <para>FreeBSD プロジェクトは 1993年の始めに &ldquo;Unofficial
- 386BSD Patchkit&rdquo; の最後の 3人のまとめ役によって, 部分的に
- patchkit から派生する形で開始 されました. ここでの
- 3人のまとめ役というのは, Nate Williams と, Rod Grimes と, 私
- (Jordan K. Hubbard) です.</para>
-
- <para>私たちのもともとの目標は, patchkit
- という仕組みではもう十分に解 決できなくなってしまった 386BSD
- の数多くの問題を修正するための, 386BSD
- の暫定的なスナップショットを作成することでした.
- こういった経緯を経てい るので,
- このプロジェクトの初期の頃の名前が &ldquo; 386BSD 0.5 &rdquo; や
- &ldquo;386BSD 暫定版 (Interim)&rdquo;
- であったということを覚えている人もいるでしょう.</para>
-
- <para>386BSD は, Bill Jolitz が (訳注: バークレイ Net/2
- テープを基に) 作成し たオペレーティングシステムです. 当時の
- 386BSD は, ほぼ一年にわたって放っ ておかれていた (訳注:
- 作者がバグの報告を受けても何もしなかった) という
- ひどい状況に苦しんでいました.
- 作者の代わりに問題を修正し続けていた patchkit
- は日を追うごとに不快なまでに膨張してしまっていました. このよ
- うな状況に対して, このままではいけない,
- 何か行動を起こさなければ, とい
- うことで異議を唱えるものは私たちのなかにはいませんでした.
- そして私たち は挑戦することを決断し,
- 暫定的な&ldquo;クリーンアップ&rdquo;スナップショットを作
- 成することで Bill を手助けしようと決めたのです. しかし,
- この計画は唐突 に終了してしまいました. Bill Jolitz が,
- このプロジェクトに対する受け
- 入れ支持を取り下げることを突然決意し,
- なおかつこのプロジェクトの代わり
- に何をするのかを一切言明しなかったのです.</para>
-
- <para>たとえ Bill が支持してくれないとしても,
- われわれの目標には依然としてや
- る価値があると決心するのにさしたる時間はかかりませんでした.
- そこで David Greenman が考案した名称 &ldquo;FreeBSD&rdquo;
- を私たちのプロジェクトの名前 に採用し,
- 新たなスタートを切りました. この時点でのプロジェクトの初期目
- 標は, すでにこのシステム (訳注: 386BSD + Patchkit)
- を使っていた利用者 たちと相談して決められました.
- プロジェクトが実現に向けて軌道に乗ってき
- たことが明確になった時点で, 私は Walnut Creek CDROM
- 社に連絡してみまし た. CDROM を使って FreeBSD
- を配布することによって, インターネットに容
- 易に接続できない多くの人々が FreeBSD
- を簡単に入手できるようになると考 えたからです. Walnut Creek
- CDROM 社は FreeBSD を CD で配布するというア
- イデアを採用してくれたばかりか,
- 作業するためのマシンと高速なインターネッ
- ト回線を私たちのプロジェクトに提供してくれました.
- 当時は海のものとも山
- のものともわからなかった私たちのプロジェクトに対して, Walnut
- Creek CDROM 社が信じられないほどの信頼を寄せてくれたおかげで,
- FreeBSD は短期 間のうちにここまで大きく成長したのです.</para>
-
- <para>CDROM による最初の配布 (そしてネットでの,
- ベータ版ではない最初の一般向 け配布) は FreeBSD 1.0 で, 1993年
- 12月に公開されました. これは カリフォ ルニア大学バークレイ校の
- 4.3BSD-Lite (&ldquo;Net/2&rdquo;) を基とし, 386BSD や Free
- Software Foundation からも多くの部分を取り入れたものです. これは
- 初めて公開したものとしては十分に成功しました. 続けて 1994年
- 5月に FreeBSD 1.1 を公開し,
- 非常に大きな成功を収めました.</para>
-
- <para>この時期,
- あまり予想していなかった嵐が遠くから接近してきていました. バー
- クレイ Net/2 テープの法的な位置づけについて, Novell 社と
- カリフォルニア大学バークレイ校との間の長期にわたる
- 法廷論争において和解が成立したの です. 和解の内容は, Net/2
- のかなりの部分が&ldquo;権利つき (encumbered)&rdquo;コー
- ドであり, それは Novell 社の所有物である,
- というバークレイ校側が譲歩し たものでした. なお, Novell
- 社はこれらの権利を裁判が始まる少し前に AT&amp;T
- 社から買収していました. 和解における譲歩の見返りにバークレイ
- 校が得たのは, 4.4BSD-Lite が最終的に発表された時点で,
- 4.4BSD-Lite は権 利つきではないと公式に宣言されること,
- そしてすべての既存の Net/2 の利 用者が 4.4BSD-Lite
- の利用へと移行することが強く奨励されること, という Novell
- 社からの&ldquo;ありがたき天からの恵み&rdquo;でした. (訳注:
- 4.4BSD-Lite は その後 Novell
- 社のチェックを受けてから公開された.) FreeBSD も Net/2 を利
- 用していましたから, 1994年の 7月の終わりまでに Net/2 ベースの
- FreeBSD の出荷を停止するように言われました. ただし,
- このときの合意によって, 私
- たちは締め切りまでに一回だけ最後の公開をすることを許されました.
- そして それは FreeBSD 1.1.5.1 となりました.</para>
-
- <para>それから FreeBSD プロジェクトは, まっさらでかなり不完全な
- 4.4BSD-Lite を基に, 文字どおり一から再度作り直すという,
- 難しくて大変な作業の準備を始めまし た. &ldquo;Lite&rdquo;
- バージョンは, 部分的には本当に軽くて, 中身がなかったので す.
- 起動し,
- 動作できるシステムを実際に作り上げるために必要となるプログ
- ラムコードのかなりの部分がバークレイ校 の CSRG (訳注:
- BSDを作っている グループ) によって (いろいろな法的要求のせいで)
- 削除されてしまっていた ということと, 4.4BSD の Intel
- アーキテクチャ対応が元々かなり不完全であっ
- たということがその理由です. この移行作業は結局 1994年の
- 11月までかかり ました. そしてその時点で FreeBSD 2.0 をネットと
- CDROM(12月末ごろ)を通じて公 開しました. これは,
- かなり粗削りなところが残っていたにもかかわらず, か
- なりの成功を収めました. そしてその後に, より信頼性が高く,
- そしてインス トールが簡単になった FreeBSD 2.0.5 が 1995年の
- 6月に公開されました.</para>
-
- <para>私たちは 1996年の 8月に FreeBSD 2.1.5 を公開しました.
- この出来が非常に 良く, 特に業務で運用しているサイトや ISP
- での人気が高かったので, 私た ちは 2.1-STABLE
- 開発分流から更に公開をおこなうことにメリットがあると考 えました.
- それが FreeBSD 2.1.7.1 で, 2.1-STABLE 開発分流の最後を締めく
- くるものとして, 1997年の 2月に公開されました. 2.1-STABLE
- 開発分流 (RELENG_2_1_0) は現在,
- 保守のみをおこなう状態になっており, 今後は, セ
- キュリティの改善や他の何か重要なバグフィックスのみが
- おこなわれるでしょう.</para>
-
- <para>FreeBSD 2.2 の開発は, RELENG_2_2 開発ブランチとして, 開発の本流
- (&ldquo;-CURRENT&rdquo;) から 1996 年 11 月に分岐し, そして 1997 年
- 4 月に最初のリリース(2.2.1)が行なわれました. 2.2
- 開発ブランチからは, さらに 97 年の夏と秋にリリースが行なわれ,
- 98 年 11 月に 2.2 開発ブランチの最終リリース(2.2.8)が
- 行なわれています. 1998 年 10 月に FreeBSD 3.0 最初の公式リリースが
- 行なわれ, 2.2 開発ブランチは開発の終了を迎えることになりました.
- </para>
-
- <para>1999 年 1 月 20 日には, FreeBSD の開発ツリーが
- 4.0-CURRENT と 3.X-STABLE の各ブランチに再び分岐しました.
- 3.X-STABLE からは 3.1 が 1999 年 2 月 15 日に,
- 3.2 が 1999 年 5 月 15 日にリリースされました.
- このブランチにおける現時点で最も新しいリリースは 3.3 で,
- 1999 年 9 月 16 日にリリースされています.
- </para>
-
- <para>長期的な開発プロジェクトは 4.0-CURRENT 開発ブランチで続けられ,
- 4.0 のスナップショットリリースが収録された CDROM
- (もちろん, ネットワーク上でも)は, 開発の進行状況に応じて
- 継続的に公開されています.</para>
- </sect1>
+ <listitem>
+ <para>何千もの<emphasis>すぐに実行可能な</emphasis>
+ アプリケーションが FreeBSD の <emphasis>ports</emphasis> や
+ <emphasis>packages</emphasis> コレクションで利用可能です.
+ ここに用意されているものは
+ ネットを探し回る必要がありません</para>
+ </listitem>
- <sect1 id="goals">
- <title>FreeBSDプロジェクトの目的</title>
-
- <para><emphasis>原作: &a.jkh;</emphasis></para>
-
- <para><emphasis>訳: &a.jp.kiroh;
- <!-- <br> -->24 September 1996.</emphasis></para>
-
- <para>FreeBSD
- プロジェクトの目的は, いかなる用途にも使用でき, 何ら制限のない
- ソフトウェアを供給することです.
- 私たちの多くは, コード(そしてプロジェ
- クト)に対してかなりの投資をしてきており,
- これからも多少の無駄はあって も投資を続けて行くつもりです. ただ,
- 他の人達にも同じような負担をするよ
- うに主張しているわけではありません. FreeBSD
- に興味を持っている一人の残 らず全ての人々に,
- 目的を限定しないでコードを提供すること. これが,
- 私たちの最初のそして最大の &ldquo;任務&rdquo;
- であると信じています. そうすれば, コード は可能な限り広く使われ,
- 最大の恩恵をもたらすことができるでしょう. これ
- が, 私たちが熱烈に支持しているフリーソフトウェアの
- 最も基本的な目的であ ると, 私は信じています.</para>
-
- <para>私たちのソースツリーに含まれるソースのうち,
- GNU 一般公有使用許諾(GPL)または GNU ライブラリ一般公有使用許諾(LGPL)
- に従っているものについては, 多少制限が課せられています. ただし,
- ソースコードへのアクセスの保証という,
- 一般の制限とはいわば逆の制限(訳注1)です.
- GPL ソフトウェアの商利用には, そのライセンスにある
- 複雑な側面が影響してくることがあります.
- ですから私たちは, そうすることが合理的であると判断されたときには,
- より制限の少ない, BSD 著作権表示を採用しているソフトウェアを
- 選択するようにしています.</para>
-
- <para>(訳注1) GPL では, 「ソースコードを実際に受け取るか,
- あるいは, 希望しさえすればそれを入手することが可能であること」
- を求めています.</para>
- </sect1>
+ <listitem>
+ <para>インターネット上で入手可能な,
+ <emphasis>移植が容易な</emphasis>
+ 何千ものアプリケーションを追加できます. FreeBSD
+ は最も評判の よい商用の Unix
+ システムとソースコードレベルで互換性があります. このため,
+ ほとんどのアプリケーションは, もしあったとしてもほんの
+ 少しの変更でコンパイルすることができます.</para>
+ </listitem>
- <sect1 id="development">
- <title>FreeBSDの開発モデル</title>
+ <listitem>
+ <para>デマンドページング <emphasis>仮想メモリ</emphasis>
+ とそれに <quote>付随の VM/buffer キャッシュ</quote>の設計は,
+ 多くのメモリを要求する
+ アプリケーションに対して効率よくメモリを
+ 与えるようにする一方で,
+ 他のユーザに対しても対話的な応答を維持します.</para>
+ </listitem>
- <para><emphasis>原作: &a.asami;.<!-- <br> -->
- 18 October 1996.</emphasis></para>
+ <listitem>
+ <para>複数の CPU を搭載したマシンにおける
+ <emphasis>SMP 機能</emphasis>のサポート(Intel 版のみ).
+ </para>
+ </listitem>
- <para><emphasis>訳: &a.asami;.<!-- <br> -->
- 31 October 1996.</emphasis></para>
+ <listitem>
+ <para>完全な <emphasis>C</emphasis> や
+ <emphasis>C++</emphasis>, <emphasis>Fortran</emphasis>,
+ <emphasis>Perl</emphasis>の
+ 開発ツール. 進んだ研究や開発のための多くの他の言語も
+ ports や packages コレクションで提供されています.</para>
+ </listitem>
- <para>FreeBSD の開発は非常に開かれた, 柔軟性のあるプロセスです.
- <link linkend="staff"> コントリビュータのリスト
- </link>を見ていただければわかる とおり,
- FreeBSDは文字通り世界中の何百という人々の努力によって開発され
- ています. 新しい開発者はいつでも大歓迎ですので, &a.hackers;
- にメールを 送ってください.
- &a.announce; もありますので, 他のFreeBSDユーザに自分のやっ
- ていることを宣伝したい時にはどうぞ使ってください.</para>
+ <listitem>
+ <para>システム全体の <emphasis>ソースコード</emphasis>
+ が提供されているので,
+ 要求に合わせて環境を最大限に適合させることができます.
+ 真のオープンシステムが利用できるのですから,
+ 所有権のある解決方法に 締めつけられ,
+ ベンダのなすがままになる必要はありません.</para>
+ </listitem>
- <para>あと, FreeBSD プロジェクトとその開発プロセスについて,
- どなたにも知って
- いていただきたいのは以下のようなことです.</para>
+ <listitem>
+ <para>膨大な量の
+ <emphasis>オンラインドキュメント</emphasis>.</para>
+ </listitem>
- <variablelist>
- <varlistentry><term>CVSリポジトリ
- <anchor id="development-cvs-repository"></term>
<listitem>
- <para>FreeBSDのソースツリーは <ulink
- url="http://www.cyclic.com/cyclic-pages/CVS-sheet.html">
- CVS </ulink> (Concurrent Versions System)
- によってメンテナンスされています. CVSはソー
- スコード管理用のフリーソフトウェアで,
- FreeBSDのリリースにも含まれてい ます. FreeBSD の <ulink
- url="http://www.FreeBSD.org/cgi/cvsweb.cgi"> メインの CVS
- リポジトリ </ulink>
- は米国カリフォルニア州のコンコルド市に存在 し,
- そこから世界中のたくさんのミラーサイトに
- コピーされています. CVSツ リーそのもの,
- そしてそのチェックアウトされたバージョンである<link
- linkend="current">-CURRENT</link>と<link
- linkend="stable">-STABLE</link>はあな
- たのマシンにも簡単に取ってくることができます.
- これについては <link linkend="synching">
- ソースツリーの同期 </link> の章をご覧ください.</para>
+ <para><emphasis>もう書ききれません!</emphasis></para>
+ </listitem>
+ </itemizedlist>
+
+ <para>FreeBSD はカリフォルニア大学バークレイ校のComputer Systems
+ Research Group (CSRG) による4.4BSD-Lite2 リリースを基にしており,
+ BSDシステムの開発の優れた伝統を守り続けています.
+ CSRGによる素晴らしい活動に加えて,
+ FreeBSDプロジェクトは何千時間もの時間を注ぎ込んで,
+ 実際の使用の場において最大の性能と信頼性を
+ 発揮するためにシステムのチューニングをおこなっています.
+ 多くの大企業がPCオペレーティングシステムの分野で
+ 実現しようと奮闘しているそのような機能や性能, 信頼性を
+ FreeBSDは<emphasis>今すぐ</emphasis>提供できます!</para>
+
+ <para>あなたの思いつく限りのアプリケーションは, 何でもFreeBSDで
+ 実行できます. ソフトウェア開発から ファクトリオートメーション,
+ 在庫制御から遠く離れた人工衛星の アンテナの方向調整まで;
+ 商用UNIX製品でできることは, FreeBSDでも十分にできるのです!
+ また, FreeBSDは世界中の研究センターや大学によって開発される
+ 文字通り何千もの高品質で, たいていはほとんど無料で利用できる
+ アプリケーションによる恩恵を得ることができます.
+ 商用のアプリケーションも提供されており,
+ 日々増え続けています.</para>
+
+ <para>FreeBSDのソースコードは広く提供されているので,
+ システムも特別なアプリケーションやプロジェクトに合わせて,
+ いくらでもカスタマイズすることができます. これは
+ 有名な商業ベンダから出ているほとんどのオペレーティング
+ システムでは不可能なことです. 以下に現在FreeBSDを
+ 使っている人々のアプリケーションの例をいくつか上げます:</para>
+
+ <itemizedlist>
+ <listitem>
+ <para><emphasis>インターネットサービス:</emphasis>
+ FreeBSDに組み込まれている 頑強なTCP/IP
+ ネットワーキング機能は次のようなさまざまなインターネット
+ サービスの理想的なプラットフォームになります:</para>
+
+ <itemizedlist>
+ <listitem>
+ <para>FTP サーバ</para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para>World Wide Web サーバ(標準, もしくは安全な [SSL])</para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para>ファイアウォールと NAT
+ (<quote>IP マスカレード</quote>) ゲートウェイ</para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para>電子メールサーバ</para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para>USENET ニュースおよび電子掲示板システム</para>
+ </listitem>
+
+ <listitem>
+ <para>さらにいろいろ...</para>
+ </listitem>
+ </itemizedlist>
+
+ <para>FreeBSD を利用すれば, 小規模で安価な 386 クラスの
+ PC でも気軽に導入することができますし,
+ 事業の成長に合わせてアップグレードした
+ 4 つの Xeon プロセッサと RAID ストレージデバイスを
+ 備えたシステムでも, 全くそのまま使うことができるのです.
+ </para>
</listitem>
- </varlistentry>
- <varlistentry><term>ソースツリー管理者
- <anchor id="development-committers"></term>
<listitem>
- <para><link linkend="staff-committers">
- ソースツリー管理者</link>はCVSツリー
- への書き込み権限を持っている人,
- つまりFreeBSDのソースに変更を加えるこ とができる人です.
- (CVSでリポジトリに変更を加えるには &man.cvs.1;
- <command>commit</command> というコマンドを使うので,
- これらの人々は英語では &ldquo;committers&rdquo;
- と呼ばれます.) 開発者にコードを送って見てもらうのに一
- 番いい方法は &man.send-pr.1; コマンドを使うことです. もし,
- 何か問題があって <emphasis remap=tt>send-pr</emphasis>
- が使えないなら<email>cvs-committers@FreeBSD.org</email>にメー
- <!-- kuriyama - remap=tt? -->
- ルを送っていただいても結構です.</para>
+ <para><emphasis>教育:</emphasis>
+ あなたは計算機科学または工学の学生ですか?
+ オペレーティングシステムやコンピュータアーキテクチャ,
+ ネットワーキングを学習するなら, FreeBSDを手に
+ 経験するのが一番よい方法です. 自由に利用できるCADや数学,
+ グラフィックデザインのパッケージもいくつもあり,
+ コンピュータに関心を持った人が <emphasis>他の人</emphasis>
+ の成果を 手に入れて利用するのにとても役に立ちます.</para>
</listitem>
- </varlistentry>
- <varlistentry><term>FreeBSDコアチーム
- <anchor id="development-core"></term>
<listitem>
- <para><link linkend="staff-core">FreeBSD
- コアチーム</link>はFreeBSDプロジェク
- トが会社だとすると取締役会にあたるものです.
- コアチームとして一番重要 な役割は FreeBSD
- プロジェクトが全体としてよい方向に向かっていることを確
- 認することです.
- 責任感あふれる開発者を上記のソースツリー管理者として
- 招くこと, また仕事上の都合などでコアチームを
- やめた人たちの後任を見つけ ることもコアチームの役割です.
- 現在のコアチームのほとんどは最初は単な
- る一開発者としてプロジェクトに関わりはじめ,
- ずるずるといつのまにか深み
- にはまってしまった人です.</para>
-
- <para>コアチームのうち何人かは特定の <link
- linkend="staff-who">担当分野</link> を持っており,
- システムのうち一部に特に重点をおいて
- 面倒を見ています.</para>
-
- <note>
- <para>忘れてほしくないのはコアチームのほとんどは FreeBSD
- についてはボラ ンティアであり, FreeBSD
- プロジェクトからは何ら金銭的な支援を受けていな
- いということです. ですから, ここでの &ldquo;責任&rdquo;
- は &ldquo;保証されたサポート&rdquo; ではありません.
- そういう意味で,
- 上記の&ldquo;取締役会&rdquo;という例えはあまりよく
- ないかもしれません. むしろ,
- FreeBSDのために人生を棒に振ってしまった人
- の集まりといった方が正しいかも.... <!-- smiley
- --><emphasis>;-)</emphasis></para>
- </note>
+ <para><emphasis>研究:</emphasis>
+ システム全体のソースコードが利用できるため,
+ FreeBSDはオペレーティングシステムの研究だけでなく,
+ 計算機科学の他の部門においても優れたプラットフォームです.
+ 自由に利用できるFreeBSDの特長は, オープンフォーラムで
+ 議論される特別なライセンスの同意や制限について
+ 心配することなく, 離れたグループでもアイディアや開発の共有に
+ よる共同研究を可能にします.</para>
</listitem>
- </varlistentry>
- <varlistentry><term>その他のコントリビュータ</term>
<listitem>
- <para>最後になりますが,
- もっとも重要で多数をしめる開発者はフィードバック
- やバグフィクスをどんどん送ってくれるユーザ自身です.
- FreeBSDの開発に外 郭から関わっていきたいという人は
- &a.hackers; (<link linkend="eresources-mail">
- メーリングリスト情報 </link> を見てください)
- に参加するといいでしょう.</para>
-
- <para>FreeBSD
- のソースツリーに入っている何かを書いた人の<link
- linkend="contrib-additional"> リスト </link>
- は日に日に長くなっています. あ なたも今日,
- 何か送ることからはじめてみませんか? <!-- smiley
- --><emphasis>:-)</emphasis></para>
-
- <para>もちろんFreeBSD
- に貢献するにはコードを書くほかにもいろいろな方法があ
- ります. 助けが求められている分野については,
- このハンドブックの <link linkend="contrib"> 貢献の仕方
- </link> の節を見てください.</para>
+ <para><emphasis>ネットワーキング:</emphasis>
+ 新しいルータが必要? ネームサーバ (DNS) は?
+ 内部のネットワークを人々から守る ファイアウォールは?
+ FreeBSDはすみに眠っている使われていない386や486のPCを簡単に
+ 洗練されたパケットフィルタリング機能を持つ高級なルータに
+ 変えることができます.</para>
</listitem>
- </varlistentry>
- </variablelist>
-
- <para>ひとことで言うと, FreeBSD
- の開発組織はゆるやかな同心円状になっています.
- ともすると中央集権的に見えがちなこの組織は,
- FreeBSDの<emphasis>ユーザ</emphasis>が
- きちんと管理されたコードベースを
- 容易に追いかけられるようにデザインされ ているもので,
- 貢献したいという人を締め出す意図は全くありません! 私た
- ちの目標は安定したオペレーティングシステムと
- 簡単にインストールして使う ことのできる<link
- linkend="ports">アプリケーション</link>を提供することであ り,
- この方法は結構うまくはたらくのです.</para>
-
- <para>これからFreeBSDの開発にたずさわろうという人に,
- 私たちが望むことはただ 一つです:
- FreeBSDの成功を継続的なものにするために, 現在の開発者と同じ
- ような情熱を持って接してください!</para>
- </sect1>
- <sect1 id="relnotes">
- <title>現在のリリースについて</title>
-
- <para>FreeBSD は自由に利用でき Intel
- i386/i486/Pentium/PentiumPro/Celeron/Pentium II/Pentium III
- (とその互換 CPU) 及び
- DEC Alpha アーキテクチャのコンピュータシステムで動作する,
- 4.4BSD-Lite2 ベースの全ソー スつきのリリースです.
- これはもともとカリフォルニア大学バーク レイ校
- CSRGグループのソフトウェアがベースとなっており, NetBSD, OpenBSD,
- 386BSD, そして Free Software Foundation の
- ソフトウェアなどにより拡張されています.</para>
-
- <para>94 年末の FreeBSD 2.0 のリリースからみると, FreeBSD は性能,
- 機能, 安定性の面で劇的に改善されました.
- もっとも大きな変化は仮想メモリシステムに おける改良で,
- 統合化された VM/file バッファキャッシュを用いる
- ことで性能を向上させながらも FreeBSD
- のメモリの使用量を減らすことができたことです. そのおかげで, 最低
- 5MB メモリという制約上でも動作するようになりました.
- その他の拡張としては, NIS のクライアントとサーバの完全なサポート,
- トランザクション TCP のサポート, ダイヤルオンデマンド PPP,
- 統合された DHCP のサポート, 改良された SCSI サブシステム,
- ISDN, ATM, FDDI, Fast Ethernet や Gigabit Ethernet(1000Mbit)
- アダプタへの対応, 最新の Adaptec コントローラ対応の改良や,
- 数百件におよぶバグの修正などがあります.</para>
-
- <para>私たちはたくさんのユーザからのコメントや
- 提案をまじめに受け取り, 私たちが正しいと考え,
- かつ導入の手順が分かりやすいものを提供しようと 努力しています.
- この (継続的に進化する) プロセスに対するあなたの意見を
- 心からお待ちしています.</para>
-
- <para>FreeBSD では基本配布セットに加え, 移植されたソフトウェア集
- として 数百の人気の高いプログラムを提供しています. 1999 年 11 月
- 中旬の時点で 2800 以上の ports (移植ソフトウェア) が存在します.
- ports には http (WWW) サーバから, ゲーム, 言語,
- エディタまでありとあらゆるものが含まれています.
- portsはオリジナル
- ソースに対する&ldquo;差分&rdquo;という形で表現されており,
- すべての portsを 集めても 50MB程度にしかなりません.
- こうすることで ports の更新を 容易にし,
- portsに必要なディスクスペースを小さくすることができます.
- portsをコンパイルするには,
- インストールしたいと思っているプログラムの ディレクトリに移動し,
- <command>make install</command> とすると, あとはすべてシステムが
- やってくれます. どの portsもオリジナルの配布セットを動的に
- CDROM または近くの FTP サーバから取ってくるので, ディスクは
- 構築したいと思っている portsの分だけを準備しておけば十分です.
- ほとんどの portsは, すでにコンパイルされた状態で
- &ldquo;package&rdquo; として提供されており,
- ソースコードからコンパイルしたくない場 合, これを使うと (pkg_add
- というコマンドで) 簡単にインストー ルできます.</para>
-
- <para>FreeBSD 2.1 以降のマシンであれば,
- <filename>/usr/share/doc</filename>
- ディレクトリにインストールの手順や FreeBSD を利用する上で有用な
- ドキュメントがたくさんあります.
- これらのローカルにインストールされたドキュメントは, HTML
- ブラウザを使って, 以下の URL から 参照することができます.</para>
-
- <variablelist>
- <varlistentry><term>FreeBSD ハンドブック (英文オリジナル)</term>
<listitem>
- <para><ulink url="file:/usr/share/doc/handbook/handbook.html">file:/usr/share/doc/handbook/handbook.html</ulink></para>
+ <para><emphasis>X Windowワークステーション:</emphasis>
+ 自由に利用できるXFree86サーバやX Inside社から提供される
+ 優れた商業サーバを使うことによって, 安価なX端末
+ としてFreeBSDを使うこともできます. X端末とは違ってFreeBSDは
+ 多くのアプリケーションをローカルに走らせることもでき,
+ 中心のサーバの負荷を軽減することも可能です.
+ FreeBSDは<quote>ディスクレス</quote>でもブート可能であり,
+ 個々のワークステーションを安価で, 容易に管理することさえ
+ 可能にします.</para>
</listitem>
- </varlistentry>
- <varlistentry><term>FreeBSD に関する FAQ</term>
<listitem>
- <para><ulink url="file:/usr/share/doc/FAQ/FAQ.html">file:/usr/share/doc/FAQ/FAQ.html</ulink></para>
+ <para><emphasis>ソフトウェア開発:</emphasis>
+ 基本的なFreeBSDシステムには
+ 有名なGNUのC/C++コンパイラやデバッガ含んだ完全な開発ツールが
+ ついてきます.</para>
</listitem>
- </varlistentry>
- </variablelist>
-
- <para>また, <ulink
- url="http://www.FreeBSD.org/">http://www.FreeBSD.org/</ulink>
- にはマスタ (かなり頻繁に更新されます) がありますので,
- こちらも参照してください.</para>
-
- <para>合衆国の輸出規制のため, FreeBSD のコア配布セットには DES
- のコードは 含まれていません. 合衆国国内に限り, DES
- を使うプログラムなどが,
- コア配布セットに加えるパッケージとして提供されています.
- 誰でも使えるパッケージは, 別途, 合衆国国外で提供されています.
- 合衆国国外からも自由に取得可能な DES の配布セットに関する
- 詳細は, <ulink url="../FAQ/FAQ.html">FreeBSD FAQ</ulink>
- にあります.</para>
-
- <para>FreeBSD 上で必要とされるセキュリティがパスワードだけであり,
- Sun や DEC
- などの別のホストから暗号化されたパスワードをコピーする必要が
- ないのであれば, FreeBSD の MD5 ベースのセキュリティで十分です.
- この標準のセキュリティモデルは DES
- よりも適していると私たちは思って いますし, また,
- やっかいな輸出規制にもひっかかることはありません.
- あなたが合衆国国外にいるなら (あるいは国内にいても)
- 一度試してみて ください!</para>
+ </itemizedlist>
+
+ <para>FreeBSD は CDROM または anonymous FTP によってソース,
+ バイナリとも利用可能です.
+ 詳しくは, <link linkend="mirrors">FreeBSD の入手方法</link>
+ を見てください.</para>
+ </sect2>
+ </sect1>
+
+ <sect1 id="history">
+ <title>FreeBSD について</title>
+
+ <para>以下のセクションでは, 簡単な歴史やプロジェクトの目標,
+ 開発モデルなど, 普段は表にでない話題を提供しています.</para>
+
+ <sect2>
+ <title>FreeBSD 小史</title>
+
+ <para><emphasis>原作: &a.jkh;</emphasis>.</para>
+
+ <para><emphasis>訳: &a.jp.masaki;, &a.jp.hino;.
+ 19 December 1996.</emphasis></para>
+
+ <para>FreeBSD プロジェクトは 1993年の始めに <quote>Unofficial
+ 386BSD Patchkit</quote> の最後の 3人のまとめ役によって, 部分的に
+ patchkit から派生する形で開始 されました. ここでの
+ 3人のまとめ役というのは, Nate Williams と, Rod Grimes と, 私
+ (Jordan K. Hubbard) です.</para>
+
+ <para>私たちのもともとの目標は, patchkit
+ という仕組みではもう十分に解 決できなくなってしまった 386BSD
+ の数多くの問題を修正するための, 386BSD
+ の暫定的なスナップショットを作成することでした.
+ こういった経緯を経てい るので,
+ このプロジェクトの初期の頃の名前が <quote> 386BSD 0.5 </quote> や
+ <quote>386BSD 暫定版 (Interim)</quote>
+ であったということを覚えている人もいるでしょう.</para>
+
+ <para>386BSD は, Bill Jolitz が (訳注: バークレイ Net/2
+ テープを基に) 作成し たオペレーティングシステムです. 当時の
+ 386BSD は, ほぼ一年にわたって放っ ておかれていた (訳注:
+ 作者がバグの報告を受けても何もしなかった) という
+ ひどい状況に苦しんでいました.
+ 作者の代わりに問題を修正し続けていた patchkit
+ は日を追うごとに不快なまでに膨張してしまっていました. このよ
+ うな状況に対して, このままではいけない,
+ 何か行動を起こさなければ, とい
+ うことで異議を唱えるものは私たちのなかにはいませんでした.
+ そして私たち は挑戦することを決断し,
+ 暫定的な<quote>クリーンアップ</quote>スナップショットを作
+ 成することで Bill を手助けしようと決めたのです. しかし,
+ この計画は唐突 に終了してしまいました. Bill Jolitz が,
+ このプロジェクトに対する受け
+ 入れ支持を取り下げることを突然決意し,
+ なおかつこのプロジェクトの代わり
+ に何をするのかを一切言明しなかったのです.</para>
+
+ <para>たとえ Bill が支持してくれないとしても,
+ われわれの目標には依然としてや
+ る価値があると決心するのにさしたる時間はかかりませんでした.
+ そこで David Greenman が考案した名称 <quote>FreeBSD</quote>
+ を私たちのプロジェクトの名前 に採用し,
+ 新たなスタートを切りました. この時点でのプロジェクトの初期目
+ 標は, すでにこのシステム (訳注: 386BSD + Patchkit)
+ を使っていた利用者 たちと相談して決められました.
+ プロジェクトが実現に向けて軌道に乗ってき
+ たことが明確になった時点で, 私は Walnut Creek CDROM
+ 社に連絡してみまし た. CDROM を使って FreeBSD
+ を配布することによって, インターネットに容
+ 易に接続できない多くの人々が FreeBSD
+ を簡単に入手できるようになると考 えたからです. Walnut Creek
+ CDROM 社は FreeBSD を CD で配布するというア
+ イデアを採用してくれたばかりか,
+ 作業するためのマシンと高速なインターネッ
+ ト回線を私たちのプロジェクトに提供してくれました.
+ 当時は海のものとも山
+ のものともわからなかった私たちのプロジェクトに対して, Walnut
+ Creek CDROM 社が信じられないほどの信頼を寄せてくれたおかげで,
+ FreeBSD は短期 間のうちにここまで大きく成長したのです.</para>
+
+ <para>CDROM による最初の配布 (そしてネットでの,
+ ベータ版ではない最初の一般向 け配布) は FreeBSD 1.0 で, 1993年
+ 12月に公開されました. これは カリフォ ルニア大学バークレイ校の
+ 4.3BSD-Lite (<quote>Net/2</quote>) を基とし, 386BSD や Free
+ Software Foundation からも多くの部分を取り入れたものです. これは
+ 初めて公開したものとしては十分に成功しました. 続けて 1994年
+ 5月に FreeBSD 1.1 を公開し,
+ 非常に大きな成功を収めました.</para>
+
+ <para>この時期,
+ あまり予想していなかった嵐が遠くから接近してきていました. バー
+ クレイ Net/2 テープの法的な位置づけについて, Novell 社と
+ カリフォルニア大学バークレイ校との間の長期にわたる
+ 法廷論争において和解が成立したの です. 和解の内容は, Net/2
+ のかなりの部分が<quote>権利つき (encumbered)</quote>コー
+ ドであり, それは Novell 社の所有物である,
+ というバークレイ校側が譲歩し たものでした. なお, Novell
+ 社はこれらの権利を裁判が始まる少し前に AT&amp;T
+ 社から買収していました. 和解における譲歩の見返りにバークレイ
+ 校が得たのは, 4.4BSD-Lite が最終的に発表された時点で,
+ 4.4BSD-Lite は権 利つきではないと公式に宣言されること,
+ そしてすべての既存の Net/2 の利 用者が 4.4BSD-Lite
+ の利用へと移行することが強く奨励されること, という Novell
+ 社からの<quote>ありがたき天からの恵み</quote>でした. (訳注:
+ 4.4BSD-Lite は その後 Novell
+ 社のチェックを受けてから公開された.) FreeBSD も Net/2 を利
+ 用していましたから, 1994年の 7月の終わりまでに Net/2 ベースの
+ FreeBSD の出荷を停止するように言われました. ただし,
+ このときの合意によって, 私
+ たちは締め切りまでに一回だけ最後の公開をすることを許されました.
+ そして それは FreeBSD 1.1.5.1 となりました.</para>
+
+ <para>それから FreeBSD プロジェクトは, まっさらでかなり不完全な
+ 4.4BSD-Lite を基に, 文字どおり一から再度作り直すという,
+ 難しくて大変な作業の準備を始めまし た. <quote>Lite</quote>
+ バージョンは, 部分的には本当に軽くて, 中身がなかったので す.
+ 起動し,
+ 動作できるシステムを実際に作り上げるために必要となるプログ
+ ラムコードのかなりの部分がバークレイ校 の CSRG (訳注:
+ BSDを作っている グループ) によって (いろいろな法的要求のせいで)
+ 削除されてしまっていた ということと, 4.4BSD の Intel
+ アーキテクチャ対応が元々かなり不完全であっ
+ たということがその理由です. この移行作業は結局 1994年の
+ 11月までかかり ました. そしてその時点で FreeBSD 2.0 をネットと
+ CDROM(12月末ごろ)を通じて公 開しました. これは,
+ かなり粗削りなところが残っていたにもかかわらず, か
+ なりの成功を収めました. そしてその後に, より信頼性が高く,
+ そしてインス トールが簡単になった FreeBSD 2.0.5 が 1995年の
+ 6月に公開されました.</para>
+
+ <para>私たちは 1996年の 8月に FreeBSD 2.1.5 を公開しました.
+ この出来が非常に 良く, 特に業務で運用しているサイトや ISP
+ での人気が高かったので, 私た ちは 2.1-STABLE
+ 開発分流から更に公開をおこなうことにメリットがあると考 えました.
+ それが FreeBSD 2.1.7.1 で, 2.1-STABLE 開発分流の最後を締めく
+ くるものとして, 1997年の 2月に公開されました. 2.1-STABLE
+ 開発分流 (RELENG_2_1_0) は現在,
+ 保守のみをおこなう状態になっており, 今後は, セ
+ キュリティの改善や他の何か重要なバグフィックスのみが
+ おこなわれるでしょう.</para>
+
+ <para>FreeBSD 2.2 の開発は, RELENG_2_2 開発ブランチとして, 開発の本流
+ (<quote>-CURRENT</quote>) から 1996 年 11 月に分岐し, そして 1997 年
+ 4 月に最初のリリース(2.2.1)が行なわれました. 2.2
+ 開発ブランチからは, さらに 97 年の夏と秋にリリースが行なわれ,
+ 98 年 11 月に 2.2 開発ブランチの最終リリース(2.2.8)が
+ 行なわれています. 1998 年 10 月に FreeBSD 3.0 最初の公式リリースが
+ 行なわれ, 2.2 開発ブランチは開発の終了を迎えることになりました.
+ </para>
+
+ <para>1999 年 1 月 20 日には, FreeBSD の開発ツリーが
+ 4.0-CURRENT と 3.X-STABLE の各ブランチに再び分岐しました.
+ 3.X-STABLE からは 3.1 が 1999 年 2 月 15 日に,
+ 3.2 が 1999 年 5 月 15 日に,
+ 3.3 が 1999 年 9 月 16 日にリリースされました.
+ このブランチにおける現時点で最も新しいリリースは 3.4 で,
+ 1999 年 12 月 20 日にリリースされています.
+ </para>
+
+ <para>2000 年 3 月 13 日には 5.0-CURRENT の発生と,
+ 4.X-STABLE ブランチの作成が行われました.
+ これまでのところ, このブランチからの唯一のリリースは
+ &rel.current;-RELEASE です.</para>
+
+ <para>
+ 長期的な開発プロジェクトは 5.0-CURRENT 開発ブランチで続けられ,
+ 5.0 のスナップショットリリースが収録された CDROM
+ (もちろん, ネットワーク上でも)は, 開発の進行状況に応じて
+ 継続的に公開されています.</para>
+ </sect2>
+
+ <sect2 id="goals">
+ <title>FreeBSDプロジェクトの目的</title>
+
+ <para><emphasis>原作: &a.jkh;</emphasis></para>
+
+ <para><emphasis>訳: &a.jp.kiroh;
+ 24 September 1996.</emphasis></para>
+
+ <para>FreeBSD
+ プロジェクトの目的は, いかなる用途にも使用でき, 何ら制限のない
+ ソフトウェアを供給することです.
+ 私たちの多くは, コード(そしてプロジェ
+ クト)に対してかなりの投資をしてきており,
+ これからも多少の無駄はあって も投資を続けて行くつもりです. ただ,
+ 他の人達にも同じような負担をするよ
+ うに主張しているわけではありません. FreeBSD
+ に興味を持っている一人の残 らず全ての人々に,
+ 目的を限定しないでコードを提供すること. これが,
+ 私たちの最初のそして最大の <quote>任務</quote>
+ であると信じています. そうすれば, コード は可能な限り広く使われ,
+ 最大の恩恵をもたらすことができるでしょう. これ
+ が, 私たちが熱烈に支持しているフリーソフトウェアの
+ 最も基本的な目的であ ると, 私は信じています.</para>
+
+ <para>私たちのソースツリーに含まれるソースのうち,
+ GNU 一般公有使用許諾(GPL)または GNU ライブラリ一般公有使用許諾(LGPL)
+ に従っているものについては, 多少制限が課せられています. ただし,
+ ソースコードへのアクセスの保証という,
+ 一般の制限とはいわば逆の制限(訳注1)です.
+ GPL ソフトウェアの商利用には, そのライセンスにある
+ 複雑な側面が影響してくることがあります.
+ ですから私たちは, そうすることが合理的であると判断されたときには,
+ より制限の少ない, BSD 著作権表示を採用しているソフトウェアを
+ 選択するようにしています.</para>
+
+ <para>(訳注1) GPL では, 「ソースコードを実際に受け取るか,
+ あるいは, 希望しさえすればそれを入手することが可能であること」
+ を求めています.</para>
+ </sect2>
+
+ <sect2 id="development">
+ <title>FreeBSDの開発モデル</title>
+
+ <para><emphasis>原作: &a.asami;. 18 October 1996.</emphasis></para>
+
+ <para><emphasis>訳: &a.asami;. 31 October 1996.</emphasis></para>
+
+ <para>FreeBSD の開発は非常に開かれた, 柔軟性のあるプロセスです.
+ <link linkend="staff"> コントリビュータのリスト
+ </link>を見ていただければわかる とおり,
+ FreeBSDは文字通り世界中の何百という人々の努力によって開発され
+ ています. 新しい開発者はいつでも大歓迎ですので, &a.hackers;
+ にメールを 送ってください.
+ &a.announce; もありますので, 他のFreeBSDユーザに自分のやっ
+ ていることを宣伝したい時にはどうぞ使ってください.</para>
+
+ <para>あと, FreeBSD プロジェクトとその開発プロセスについて,
+ どなたにも知って
+ いていただきたいのは以下のようなことです.</para>
+
+ <variablelist>
+ <varlistentry><term>CVSリポジトリ
+ <anchor id="development-cvs-repository"></term>
+ <listitem>
+ <para>FreeBSDのソースツリーは
+ <ulink url="http://www.cyclic.com/cyclic-pages/CVS-sheet.html">
+ CVS </ulink> (Concurrent Versions System)
+ によってメンテナンスされています. CVSはソー
+ スコード管理用のフリーソフトウェアで,
+ FreeBSDのリリースにも含まれてい ます. FreeBSD の
+ <ulink url="http://www.FreeBSD.org/cgi/cvsweb.cgi"> メインの CVS
+ リポジトリ </ulink>
+ は米国カリフォルニア州のコンコルド市に存在 し,
+ そこから世界中のたくさんのミラーサイトに
+ コピーされています. CVSツ リーそのもの,
+ そしてそのチェックアウトされたバージョンである
+ <link linkend="current">-CURRENT</link>と
+ <link linkend="stable">-STABLE</link>はあな
+ たのマシンにも簡単に取ってくることができます.
+ これについては <link linkend="synching">
+ ソースツリーの同期 </link> の章をご覧ください.</para>
+ </listitem>
+ </varlistentry>
+
+ <varlistentry><term>ソースツリー管理者
+ <anchor id="development-committers"></term>
+ <listitem>
+ <para><link linkend="staff-committers">ソースツリー管理者</link>
+ はCVSツリーへの書き込み権限を持っている人,
+ つまりFreeBSDのソースに変更を加えることができる人です.
+ (CVSでリポジトリに変更を加えるには &man.cvs.1;
+ <command>commit</command> というコマンドを使うので,
+ これらの人々は英語では <quote>committers</quote>
+ と呼ばれます.)
+ 開発者にコードを送って見てもらうのに一番いい方法は
+ &man.send-pr.1; コマンドを使うことです.
+ もし, 何か問題があって <command>send-pr</command>
+ が使えないなら<email>cvs-committers@FreeBSD.org</email>
+ にメールを送っていただいても結構です.</para>
+ </listitem>
+ </varlistentry>
+
+ <varlistentry><term>FreeBSDコアチーム
+ <anchor id="development-core"></term>
+ <listitem>
+ <para><link linkend="staff-core">FreeBSD
+ コアチーム</link>はFreeBSDプロジェク
+ トが会社だとすると取締役会にあたるものです.
+ コアチームとして一番重要 な役割は FreeBSD
+ プロジェクトが全体としてよい方向に向かっていることを確
+ 認することです.
+ 責任感あふれる開発者を上記のソースツリー管理者として
+ 招くこと, また仕事上の都合などでコアチームを
+ やめた人たちの後任を見つけ ることもコアチームの役割です.
+ 現在のコアチームのほとんどは最初は単な
+ る一開発者としてプロジェクトに関わりはじめ,
+ ずるずるといつのまにか深み
+ にはまってしまった人です.</para>
+
+ <para>コアチームのうち何人かは特定の
+ <link linkend="staff-who">担当分野</link> を持っており,
+ システムのうち一部に特に重点をおいて
+ 面倒を見ています.</para>
+
+ <note>
+ <para>忘れてほしくないのはコアチームのほとんどは FreeBSD
+ についてはボラ ンティアであり, FreeBSD
+ プロジェクトからは何ら金銭的な支援を受けていな
+ いということです. ですから, ここでの <quote>責任</quote>
+ は <quote>保証されたサポート</quote> ではありません.
+ そういう意味で,
+ 上記の<quote>取締役会</quote>という例えはあまりよく
+ ないかもしれません. むしろ,
+ FreeBSDのために人生を棒に振ってしまった人
+ の集まりといった方が正しいかも.... <!-- smiley
+ --><emphasis>;-)</emphasis></para>
+ </note>
+ </listitem>
+ </varlistentry>
+
+ <varlistentry><term>その他のコントリビュータ</term>
+ <listitem>
+ <para>最後になりますが,
+ もっとも重要で多数をしめる開発者はフィードバック
+ やバグフィクスをどんどん送ってくれるユーザ自身です.
+ FreeBSDの開発に外 郭から関わっていきたいという人は
+ &a.hackers; (<link linkend="eresources-mail">
+ メーリングリスト情報 </link> を見てください)
+ に参加するといいでしょう.</para>
+
+ <para>FreeBSD
+ のソースツリーに入っている何かを書いた人の
+ <link linkend="contrib-additional"> リスト </link>
+ は日に日に長くなっています. あ なたも今日,
+ 何か送ることからはじめてみませんか? <!-- smiley
+ --><emphasis>:-)</emphasis></para>
+
+ <para>もちろんFreeBSD
+ に貢献するにはコードを書くほかにもいろいろな方法があ
+ ります. 助けが求められている分野については,
+ このハンドブックの <link linkend="contrib"> 貢献の仕方
+ </link> の節を見てください.</para>
+ </listitem>
+ </varlistentry>
+ </variablelist>
+
+ <para>ひとことで言うと, FreeBSD
+ の開発組織はゆるやかな同心円状になっています.
+ ともすると中央集権的に見えがちなこの組織は,
+ FreeBSDの<emphasis>ユーザ</emphasis>が
+ きちんと管理されたコードベースを
+ 容易に追いかけられるようにデザインされ ているもので,
+ 貢献したいという人を締め出す意図は全くありません! 私た
+ ちの目標は安定したオペレーティングシステムと
+ 簡単にインストールして使う ことのできる
+ <link linkend="ports">アプリケーション</link>を提供することであ り,
+ この方法は結構うまくはたらくのです.</para>
+
+ <para>これからFreeBSDの開発にたずさわろうという人に,
+ 私たちが望むことはただ 一つです:
+ FreeBSDの成功を継続的なものにするために, 現在の開発者と同じ
+ ような情熱を持って接してください!</para>
+ </sect2>
+
+ <sect2 id="relnotes">
+ <title>現在のリリースについて</title>
+
+ <para>FreeBSD は自由に利用でき Intel
+ i386, i486, Pentium, Pentium Pro, Celeron, Pentium II, Pentium III
+ (とその互換 CPU) 及び
+ DEC Alpha アーキテクチャのコンピュータシステムで動作する,
+ 4.4BSD-Lite2 ベースの全ソー スつきのリリースです.
+ これはもともとカリフォルニア大学バーク レイ校
+ CSRGグループのソフトウェアがベースとなっており, NetBSD, OpenBSD,
+ 386BSD, そして Free Software Foundation の
+ ソフトウェアなどにより拡張されています.</para>
+
+ <para>94 年末の FreeBSD 2.0 のリリースからみると, FreeBSD は性能,
+ 機能, 安定性の面で劇的に改善されました.
+ もっとも大きな変化は仮想メモリシステムに おける改良で,
+ 統合化された VM/file バッファキャッシュを用いる
+ ことで性能を向上させながらも FreeBSD
+ のメモリの使用量を減らすことができたことです. そのおかげで, 最低
+ 5MB メモリという制約上でも動作するようになりました.
+ その他の拡張としては, NIS のクライアントとサーバの完全なサポート,
+ トランザクション TCP のサポート, ダイヤルオンデマンド PPP,
+ 統合された DHCP のサポート, 改良された SCSI サブシステム,
+ ISDN, ATM, FDDI, Fast Ethernet や Gigabit Ethernet(1000Mbit)
+ アダプタへの対応, 最新の Adaptec コントローラ対応の改良や,
+ 数百件におよぶバグの修正などがあります.</para>
+
+ <para>私たちはたくさんのユーザからのコメントや
+ 提案をまじめに受け取り, 私たちが正しいと考え,
+ かつ導入の手順が分かりやすいものを提供しようと 努力しています.
+ この (継続的に進化する) プロセスに対するあなたの意見を
+ 心からお待ちしています.</para>
+
+ <para>FreeBSD では基本配布セットに加え, 移植されたソフトウェア集
+ として 数百の人気の高いプログラムを提供しています. 2000 年 7 月
+ 中旬の時点で 3000 以上の ports (移植ソフトウェア) が存在します.
+ ports には http (WWW) サーバから, ゲーム, 言語,
+ エディタまでありとあらゆるものが含まれています.
+ portsはオリジナル
+ ソースに対する<quote>差分</quote>という形で表現されており,
+ すべての portsを 集めても 50MB程度にしかなりません.
+ こうすることで ports の更新を 容易にし,
+ portsに必要なディスクスペースを小さくすることができます.
+ portsをコンパイルするには,
+ インストールしたいと思っているプログラムの ディレクトリに移動し,
+ <command>make install</command> とすると, あとはすべてシステムが
+ やってくれます. どの portsもオリジナルの配布セットを動的に
+ CDROM または近くの FTP サーバから取ってくるので, ディスクは
+ 構築したいと思っている portsの分だけを準備しておけば十分です.
+ ほとんどの portsは, すでにコンパイルされた状態で
+ <quote>package</quote> として提供されており,
+ ソースコードからコンパイルしたくない場 合, これを使うと (pkg_add
+ というコマンドで) 簡単にインストー ルできます.</para>
+
+ <para>FreeBSD 2.1 以降のマシンであれば,
+ <filename>/usr/share/doc</filename>
+ ディレクトリにインストールの手順や FreeBSD を利用する上で有用な
+ ドキュメントがたくさんあります.
+ これらのローカルにインストールされたドキュメントは, HTML
+ ブラウザを使って, 以下の URL から 参照することができます.</para>
+
+ <variablelist>
+ <varlistentry><term>FreeBSD ハンドブック (英文オリジナル)</term>
+ <listitem>
+ <para><ulink url="file:/usr/share/doc/handbook/handbook.html">file:/usr/share/doc/handbook/handbook.html</ulink></para>
+ </listitem>
+ </varlistentry>
+
+ <varlistentry><term>FreeBSD に関する FAQ</term>
+ <listitem>
+ <para><ulink url="file:/usr/share/doc/FAQ/FAQ.html">file:/usr/share/doc/FAQ/FAQ.html</ulink></para>
+ </listitem>
+ </varlistentry>
+ </variablelist>
+
+ <para>また,
+ <ulink url="http://www.FreeBSD.org/">http://www.FreeBSD.org/</ulink>
+ にはマスタ (かなり頻繁に更新されます) がありますので,
+ こちらも参照してください.</para>
+
+ <para>合衆国の輸出規制のため, FreeBSD のコア配布セットには DES
+ のコードは 含まれていません. 合衆国国内に限り, DES
+ を使うプログラムなどが,
+ コア配布セットに加えるパッケージとして提供されています.
+ 誰でも使えるパッケージは, 別途, 合衆国国外で提供されています.
+ 合衆国国外からも自由に取得可能な DES の配布セットに関する
+ 詳細は, <ulink url="../FAQ/FAQ.html">FreeBSD FAQ</ulink>
+ にあります.</para>
+
+ <para>FreeBSD 上で必要とされるセキュリティがパスワードだけであり,
+ Sun や DEC
+ などの別のホストから暗号化されたパスワードをコピーする必要が
+ ないのであれば, FreeBSD の MD5 ベースのセキュリティで十分です.
+ この標準のセキュリティモデルは DES
+ よりも適していると私たちは思って いますし, また,
+ やっかいな輸出規制にもひっかかることはありません.
+ あなたが合衆国国外にいるなら (あるいは国内にいても)
+ 一度試してみて ください!</para>
+ </sect2>
</sect1>
</chapter>