クォータ制限の設定
一旦システムのクォータを有効に設定したら、
本当にクォータが使用可能になっていることを確かめてください。
これを簡単に確かめるには、quota -v コマンドを実行してみて
ください。ディスク使用量の総計と、クォータが設定されている各ファイ
ルシステム毎の現在のクォータ制限が表示されます。
さてこれで、edquota コマンドによって、クォータ制限をか
ける準備ができました。
ユーザまたはグループが使用できるディスクスペースの総計や、作成
することのできるファイル数に制限をかけるためのオプションがいくつか
あります。 ディスクスペース容量規制 (ブロッククォータ) または ファイ
ル数制限 (iノードクォータ) またはその両方を行うことができます。
これらの個々の制限は、二つのカテゴリ、すなわち ハード制限とソ
フト制限、でもっと細かく分類できます。
ハード制限は越えることができません。ユーザがハード制限に到達す
ると、該当するファイルシステム上でディスクスペースを確保することが
できなくなります。 例えば、もしユーザがファイルシステム上で 500 ブ
ロックのハード的制限をされていて、かつ、現在、490 ブロック使用して
いたとすると、ユーザはあと 10 ブロックしか確保できません。
11ブロック目を確保しようとすると、失敗します。
一方、ソフト制限は、定められたある一定の期間以内ならば制限を越
えることができます。この一定期間は、猶予期間と呼ばれています。
猶予期間のデフォルトは 1週間です。もし、ユーザが猶予期間を過ぎても
ソフト制限を越えて使用し続けていた場合には、ソフト制限はハード制限
に切り替わり、もはやこれ以上は、ディスクスペースを確保できなくなり
ます。ユーザのディスク使用量がソフト制限以下に戻った時に、猶予期間
がリセットされます。
以下は、edquota コマンドを実行した時の出力例です。
edquota コマンドが起動されると、EDITOR 環境変数
で定義されたエディタ、または、EDITOR 環境変数が設定されて
いない場合には vi エディタが起動され、クォータ制限を編集
することができます。
# edquota -u test
Quotas for user test:
/usr: blocks in use: 65, limits (soft = 50, hard = 75)
inodes in use: 7, limits (soft = 50, hard = 60)
/usr/var: blocks in use: 0, limits (soft = 50, hard = 75)
inodes in use: 0, limits (soft = 50, hard = 60)
通常は、クォータが設定されているファイルシステム毎に2行の表示が
行われます。1行は、ブロック制限に関する情報で、もう1行は、i ノード
制限に関する情報です。クォータ制限の値を変更したい値に書き換えてく
ださい。例えば、ユーザのブロック制限を、50 ブロックまでのソ
フト制限と 75 ブロックまでのハード制限から、500 ブロックまでのソフ
ト制限と 600 ブロックまでのハード制限にしたい場合は、
次のように書き換えます:
/usr: blocks in use: 65, limits (soft = 50, hard = 75)
を次のように:
/usr: blocks in use: 65, limits (soft = 500, hard = 600)
新しいクォータ制限は、エディタを終了した時に置き換えられます。
uid の範囲によってクォータを設定する個とも可能です。
そのためには edquota コマンドで、-p オプションを
使用します。まずはじめに、かけたいクォータ制限を、一人のユーザに対
して設定します。それから次のコマンドを実行します
edquota -p protouser startuid-enduid。
例えば、もし、ユーザ test がクォータ制限をかけられていた
とすると、次のコマンドは、同じ制限を、uid 10,000 から 19,999 まで
のユーザにかけることができます:
edquota -p test 10000-19999
uid の範囲によって制限をかけることができる機能は、2.1 がリリー
スされたあとに追加されました。もし、2.1 のシステム上で、この機能を
必要とする場合には、新しい edquota を入手する必要があります。
詳細情報は man edquota を御覧ください。
クォータ制限およびディスク使用状況のチェック
クォータ制限およびディスク使用状況をチェックするには、
quota または repquota コマンドを使用することがで
きます。quota コマンドは、各ユーザ、各グループ毎のクォー
タ制限およびディスク使用状況をチェックすることができます。
スーパーユーザだけが、他のユーザまたは自分が所属していないグループに
関するクォータ制限とディスク使用状況を調べることができます。
repquota コマンドは、クォータが設定されているファイルシス
テムに対する、全てのクォータ制限およびディスク使用状況の総計を表示
します。
以下は、2つのファイルシステム上でクォータ制限がかけられているユー
ザに対して quota -v コマンドを実行した出力結果の例です。
Disk quotas for user test (uid 1002):
Filesystem blocks quota limit grace files quota limit grace
/usr 65* 50 75 5days 7 50 60
/usr/var 0 50 75 0 50 60
上の例では、/usr ファイルシステム上で、このユーザは現在
50 ブロックまでのソフト制限を 15 ブロック超過して使用しており、
残り 5 日間の猶予期間を設定されています。
アスタリスク (*) は、ユーザが現在クォータ制限を越えていることを示
しています。
通常、ユーザがディスクスペースを全く使用していないファイルシス
テムは、 たとえ そのファイルシステムにクォータ制限が設定されていた
としても、quota コマンドによる出力では表示されません。
-v オプションを付けると、上の例の /usr/var ファ
イルシステムのように、これらのファイルシステムも表示します。
* NFS ファイルシステム上でのクォータ
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